ほのぼのぽか〜 んとしながらもラストまでのしっかりした構成力、ぐいぐい引き込むとぼけた絵の魅力でぶっちぎりで走り抜けました。

富山湾のホタルイカを題材に、話の展開とともに連動するリズム感が溢れる絵画表現はなかなかのもので、間の空間の捉え方も見事な、満票獲得の作品である。

審査の時は全作品を音読しました。その中でも特に読みやすく、言葉と絵がみごとに結びついていると感動したのが当作品です。徹底的に無駄を無くして、絵も言葉もシンプルで力強い。そのおかげで最後のオチがキラリと光っています。また、富山名産ホタルイカの生態が活かされているのもうまい。

魚たちの絵がいきいきと自由です。

海の中でおにごっこをしている魚たちがダイナミックな構図で描かれ、絵本の中から飛び出してきそうです。色彩やストーリー展開から、倫理さんが楽しんで絵本を作っている様子が伝わってきました。

真之介くんはふだんから絵をよく描いているんだろうな、と誰もが感じたはず。特に色のつかい方が斬新。でも何度か読んでいると「グルゴ！ そこでハンマーを使わずにキバでいかなくちゃ！ 」とか「骨付き肉にカニにケーキ… 本当にごちそうだらけの冷蔵庫！ 」とか、つっこみたくなります。これが大事で「読むたびに気付きがある」のは、よい絵本の条件だと考えています。読んで楽しい作品をありがとう。

猫と子どもの表情を巧みに捉える抜群の描写に裏打ちされ、構造的にもしっかりとした仕掛け絵本になっている。表現意図と水彩紙や描画材の選択が上手く噛み合った完成度の高い作品で、作者西山永理さんの造形力とセンスの非凡さを感じる。

水彩絵具、色鉛筆、ラメを併用させることで絵肌の効果が活きた作品。

いつの日か故郷の富山の海と共に、幼い日の思い出の一冊になりますね。

1 1 匹の魚たちを配置した構成力と射水市の新しいシンボル新湊大橋を題材に取り上げたアイデアに感心しました。

江里さんはとっても手先が器用なんだろうなあ… 切り絵の技術の確かさ、裏表紙まで話に組み込む気配り。その細やかさと、テーマの一貫したシンプルさが絶妙に調和していて、完成度の高い作品だと思います。

新しい試みの絵本として評価されました。スプレーで絵具を吹き付けたり、クレヨンでぐるぐると線描きしたりした絵の上で、パソコンのキーボードをランダムに押さえて出てきた文字が踊っています。１ 歳の森歩ちゃんとお母さんの素敵な共同作品になりました。

飛び散る色と、くねる線がほどよく調和し、彩豊かな宇宙空間に舞い込んだような喜びがわいてくるようです。

風がわたしのところへも手紙を運んでくれました。

冬真くんは絵はこれからもっとうまくなれると思います。それよりも君の「伝えたい思い」が、この作品を読んだ全員の心に響いたはず。お姉ちゃんにぜひ報告してね。

心臓を題材に様々な心の状態を面白く描いている点がユニーク。

繰り返しが効果的な絵本です。最後に出てくる大きな黒い穴が「ぼくのはな〜 ! ! 」というオチに思わず笑ってしまいました。ユーモア抜群です。

茶色の土の中の黒い穴、何がいるのかと思うと何とその穴は……。奇想天外な発想の中に、豊かな想像力への発展が期待されます。