おおしま国際手づくり絵本コンクール【2025年ジュニアの部】結果発表

筆捌きが上級者なんです。ご自身が嗜んでこられた「書道」という世界を、ほんわか楽しく伝えてくれる普遍的な作品なんじゃないでしょうか。わたしも『トキのしょどうきょうしつ』に通ってみたいなぁ。　

アイデア、絵柄、ページ構成、全てが高いレベルで驚きました。特に、動物たちのポーズや表情が的確で、行動と心情が分かりやすく、作品世界に豊かさと説得力を加えています。さらに読後感は爽やかでほっこり、得られる学びもあって、そう簡単に成せる内容ではありません。可能性の塊との出会いに喜んでいます。

動物たちが書道で字を書くという抜群の面白さで見る者を引きつけ、インパクトも非常に強く、その上手な絵柄と相俟って審査でも話題となり、県知事賞に輝きました。

くろあげはの成長を一喜一憂しながらずーっと見守っていたんだろうという夏の思い出を、小さな手でコツコツ表現し、粘り強く創り上げた。その純粋さが、その事実がもう美し過ぎて涙出でます。大胆な構図も良かった。全ての作品に言えることですが、最後までやりとげる、誰にでも簡単にできることではありません。これは本当に尊い素晴らしい才能なんですよ。

羽化したクロアゲハが空想の世界へ冒険する話です。修悟さん、アゲハチョウの成長をよく観察して絵をかきましたね。オクラのスタンプで表した菜の花畑はきれいですね。雨粒のスタンプもすてきです。クロアゲハが宇宙まで冒険して家に戻ってきました。きっと、アゲハチョウも修悟さんのことが好きなのですね。

その成長ぶりがページをめくるごとに描かれています。

あぁ、絵が大好き！楽しい！そんな嬉しい気持ちで溢れてる！！素直に感動してしまうんです。わたしも絵を描きますが、そんなに楽しい時ばっかりじゃない、、、羨ましいくらいです。

海の中に流れる音楽、どのようなメロディなんだろうと楽しく想像しました。中でもカニの八本の手に持ったマラカスから溢れる音色やブリのしっかりした尻尾で叩くたいこのリズム…。登場する生き物の表情の豊かさ。観察力があります。ラストのブリの正面からの迫力にもグッときました。

楽しい音楽が今にも聞こえてきそう。

手に取った瞬間から、何かが起こる予兆、何者かがいる気配を感じさせる絵本です。絵は、彩度の高い色をたくさん使いながらも嫌味がなく、絵本の中に仕掛けられたもう一冊の無彩色の絵本と相まって、作品内の時間や空間に広がりと奥行きを感じさせました。作品世界の徹底した作り込みに脱帽です。

異国情緒豊かなタッチで描かれた、人間模様が心に沁みる作品で県教育委員会賞に輝きました。

川にすんでいる生き物たちの話です。表紙の水玉模様が、これから始まる水中を想像させます。パーティーであいさつをするザリガニ、カメラマンのどじょうがユニークです。心がほっこりする作品です。

川の中の愉快な仲間たちの集まりがはじけていました。

人間が作った電波塔に怒った土の神様の形相の恐ろしいこと。土と水の神様を鎮めるために太鼓を作り歌うカワウソたち。静けさを取り戻した森から人間に木の葉の手紙を送ります。その文面が素敵です。「いきものたちはだいじょうぶ！げんきになかよくくらしていますよ」人間を責めてはいないこのラストのメッセージ、大らかで優しい思いに包まれました。

豊かな彩りの情景描写と工夫を凝らした個々の絵が印象的。

電車ごっこの輪にカエルが次々と「まーぜーて」と入ってくる話です。ページをめくる楽しさがつまった絵本です。「しゅっしゅっぽっぽ」の連続した言葉で電車ごっこがもっと楽しくなりましたね。

色鮮やかな絵で楽しめる作品でした。

よく利用しているガソリンスタンド、実は夜中はお化けや天国のお爺ちゃんも利用しているんです。ろくろ首の店員さんが、器用に対応してくれます。登場するお化けも色々、給油に来る車の特徴も捉えてあります。私もちょっと覗いてみたいけど、怖いかな。

昼夜の対比による場面転換と次々に展開していく面白さがたまらない、わくわくする作品でした。

明るい色調と軽いタッチ、簡潔なデフォルメで仕上げられた絵と端的にまとめられた言葉とセリフがとても見やすく読みやすく、表現におけるバランス感覚の良さを感じさせました。打って変わって終盤にあるギョーザの絵は焦げ目の描写にリアリティがあり印象的で、クライマックスとして申し分ありません。

手作り感溢れる素朴な絵柄から感じる優しく豊かな心を具現化した、魅力ある作品でした。

妖精にもらったニンジンの種。だらだらうさぎは仕方なく畑を耕し、種を植え、くる日もくる日もくる日も畑仕事を続けて、ニンジンを育てます。見守っている妖精。ウサギの仲間たちも一緒に加わっていきます。自分で育てたニンジンをみんなで味わう嬉しさ、楽しさ、美味しさが画面から感じることができ、頑張るって素敵な魔法だと気づかせてくれる作品です。

色とりどりに展開するページが楽しい、心が温まる伸びやかな作品でした。