おおしま国際手づくり絵本コンクール【2021年ジュニアの部】結果発表
「おおしま国際手づくり絵本コンクール2021(ジュニアの部)」にたくさんのご応募をいただき、心からお礼申し上げます。
今年は全国各地から665点の応募がありました。5人の審査員による厳正な審査を経て、次のとおり31点の入賞と40点の入選が決まりました。
入賞入選者のみなさん、誠におめでとうございます。残念ながら選外となったみなさんの作品も、「世界で1冊だけ」のすてきな絵本でした。来年もみなさんからの応募を楽しみにしています。
最優秀賞文部科学大臣賞
『ぼくのうえにすわったら』
のびのびおおらか『ぼくのうえにすわったら』。明るいタッチでみんないいお顔。
まず、タイトルが抜群にいい!絵も楽しく、表紙だけで読み手の心をわしづかみ!フレーズの繰り返しを効果的に使った文章、動物たちに囲まれた「くも」の生き生きとした表情。愛珠紗さん自身が楽しんで作ったことが伝わる、爽やかで元気な1冊です。
背景の淡いブルーの空に滲むような白い雲が浮かび、その穏やかな色調の空を彩り鮮やかな鳥・魚・動物が飛び交って集い、ほのぼのとした作者の心情と大らかな自然の豊かさが感じられて思わず気持ちが和む好作品です。
金賞富山県知事賞
『ゆきのまど』
静かな雪の日をそっと見つめた絵本『ゆきのまど』は、富山詩人の最新作。“みてみん のぞいてみん あおのまど” いつも裏表紙まで気持ちが描かれていて嬉しくなります。
一切の無駄がなく磨き抜かれた言葉と、透明感のある絵の織り成す繊細な世界。文字の配置も絶妙。凜くんの作品が、心に美しい余韻を響かせました。
全体を淡い色彩でまとめ、画像も簡素で言葉少なですが、その表現が、かえって読み手の想像力をかき立て、幼い頃の自らの体験を思い起こさせて懐かしさを募らせます。飾り気のない素直な表現が自ずと作品の中に引き込む好作品です。
金賞射水市長賞
『おやまがうごいた』
園児の時代にしか思いつけない発想。おやまが留守のとき、地面はどうなっているの?とか大人は考えがち。柔らかあたまの勝ち。
ニコニコ顔のお山が、寝たり、起きたり、お散歩したり、泣いたり、花を飾ったり、絵を描いたりするなんて、園児ならではの発想にビックリにっこりです。お山が描いた絵もかわいく丁寧に細部まで描き込んであります。読む人を笑顔にするステキな絵本です。年中さんの愛菜ちゃんが、一文字一文字一生懸命書いたひらがなにも引きつけられます。
目や口を線だけで表したおにぎりのようなお山の表情の豊かさには可愛さが募り、次はどんな表情なのかと頁をめくります。お山がいつしか作者の毎日の生活になり、その愛らしさに思わず笑みが溢れる好作品です。
金賞射水市長賞
『足のおそいチーターと足の早い牛』
上手い絵描き登場です。色彩、構成のセンス抜群。リング綴じ製本での応募は、もったいないと感じました。表紙、裏表紙の楽しみが加わればもっと作品は強くなります。
特筆すべきはその絵で、色彩と造形が高いレベルでまとまっており、ページ構成も秀逸、鍛えられた表現力を感じました。ユーモアのある動物たちの表情やポーズ、彩度の高い色の組み合わせ、絵と余白のバランスが独特で、作家性を感じさせます。肩の力を抜くゆったりしたメッセージと目をどこまでも楽しませるイメージの融合を計算して表現したとすれば、大物の予感さえします。
頁ごとにその鮮やかな色彩に目を奪われます。寒色系の青紫と暖色系の赤・黄などの対比は印象的ですが、それと文(ストーリー)の深さが釣り合えばもっと好いでしょう。絵本としての表紙の描き方にも工夫がほしいものです。
銀賞富山県教育委員会賞
『ぼくたち、おたまエル』
色彩と構図の大胆なこと。キャラピラーの絵にしびれました。
生きものを描くのが本当にうまくて、絵本の中から飛び出してきそう!この勢いこそ瑛大くんの持ち味。これからものびのびと描いてくださいね。
銀賞射水市絵本文化振興財団賞
『きみにあうでんしゃのたび』
遠い旅へ出かけたお話。過去から現代を旅する様子は広々とした発想で、未来駅に向かうところでお話が終わります。いいね!
主人公のネコが、大空さんに出会うために、不思議な電車に乗って空想の世界を冒険します。明るい色で描かれた宇宙の星や恐竜たちが、ページをめくるたびにパッと目に飛び込んできます。また、どのページも文字の配置に工夫が見られます。
銀賞射水市絵本文化振興財団賞
『タトルとドールのアクセサリー』
絵本を作りたい気持ちが最後まで丁寧に続いていました。相手を思いやる優しい気持ちが伝わりました。
ページの隅々にまで気を配って描かれた絵からは、物語を伝えたい、絵本を作りたい、という思いがあふれだしていました。それでいて文は冗長になることなく適度な分量にまでそぎ落とされ、絵は丁寧なグラデーションと十分に吟味された色彩によって、とても見やすくまとめられています。表現の圧力や密度を感じさせる作品でした。
銅賞射水市教育委員会賞
『はやいぞ!チーター』
白い紙の上を園児のこころそのままに無邪気な絵が走ります。
チーターは、走る練習をします。見開き2ページいっぱいに描かれた、空を飛ぶように走るチーターの造形は迫力満点です。速く走れるようになったチーターは、お腹が空いたのでシマウマを追いかけてパクリ!この予想を超えるストーリー展開も見事です。
銅賞射水市教育委員会賞
『らいちょうくんの富山旅』
富山愛をいきいきと表現。風景画がとても魅力的でした。
琴芭さんの富山名所案内は圧巻!この絵本を片手に、さっそく富山旅に出かけたくなる傑作です。
銅賞射水市教育委員会賞
『エマがすきなもの』
物語の入り口、サーモンのぬいぐるみの造形が惜しい。
彩度をおさえた色調と簡素な線描が特徴的で、手触りやぬくもりを感じさせる、センスのよい豊かな画面を作り出しています。場面を捉える視点の位置、構図や配置といった切り取り方、余白の扱い方が上手く、主人公のポーズや立ち位置が多様で変化に富んでいることにもとても驚きました。きっと絵本の表現についてしっかりと研究をすすめ、実践した結果ではないでしょうか。
吉田力賞
『ツバメの家族の物語』
鳥たちが画用紙の上を落っこちそうな勢いで飛び交っています。気持ちのスピード感が描くスピードを上回っています。
様々な技法を使った絵に驚きました。優大くんには次回、ページ内での文字の配置にも挑戦して欲しいな。
ツバメの動きが頁いっぱいに様々な色合いで屈託なく描かれていて描き手の活き活きとした心情がよく表れています。縦長の絵巻物のようです。今後、文の挿入の仕方に工夫すればもっと心打つ作品となるでしょう。
奨励賞
作品タイトル | 作者名 | 部門 | 所属 | 後援 |
---|---|---|---|---|
『そらのペンキやさん』 | 武藤 仁瑚 | 園児 | 神奈川県 桐蔭学園幼稚園 年中 | 朝日新聞社賞 |
『おたすけあい』 | 渡邊 宥大 | 小学生 | 富山県 高岡市立戸出西部小学校 4年 | 朝日新聞社賞 |
『うみにいきたい』 | 松井 日々人 | 園児 | 神奈川県 小菅ヶ谷幼稚園 年長 | NHK富山放送局長賞 |
『私の村』 | Sopitsuda Chaipadtha | 中高生 | タイ Nongpokwittayalai School 2年 | NHK富山放送局長賞 |
『おおきくなったら?』 | 射水市立大島南部保育園ひまわり組 | 園児 | 富山県 射水市立大島南部保育園 年長 | 北日本新聞社賞 |
『草むらでレース虫』 | 四十物 千花 | 小学生 | 富山県 富山市立藤ノ木小学校 6年 | 北日本新聞社賞 |
『ぼくのともだち』 | 桃井 翔生 | 園児 | 富山県 藤ノ木こども園 年長 | 北日本放送賞 |
『ふしぎなマシュマロ』 | 長谷川 遥子 | 小学生 | 岐阜県 岐阜市立長良西小学校 5年 | 北日本放送賞 |
『ジンベエザメとぼくのだいぼうけん』 | 松 魁斗 | 小学生 | 富山県 射水市立小杉小学校 2年 | チューリップテレビ賞 |
『雨あがりの夜に』 | 加藤 優希 | 小学生 | 神奈川県 横浜市立港北小学校 3年 | チューリップテレビ賞 |
『ぺったんぺったん』 | 町田 美織 | 園児 | 岐阜県 神戸町立北幼児園 年長 | 富山新聞社賞 |
『夏のひみつ』 | 池田 和依香 | 小学生 | 富山県 小矢部市立大谷小学校 6年 | 富山新聞社賞 |
『どんなときにどんなかお?』 | 山本 藍歌 | 小学生 | 富山県 砺波市立砺波東部小学校 2年 | 富山テレビ |
『ぼくのデイジー』 | 中澤 芽衣 | 中高生 | 東京都 東京都立工芸高等学校 3年 | 富山テレビ |
『トリたちのおとどけや』 | 関 萌々果 | 小学生 | 富山県 富山市立呉羽小学校 4年 | 北陸中日新聞社賞 |
『しあわせはなにいろ?』 | 野島 芽生 | 中高生 | 東京都 日本女子大学附属中学校 3年 | 北陸中日新聞社賞 |
『てんとうむしのぼうけん』 | 山本 温真 | 小学生 | 岐阜県 岐阜市立西郷小学校 2年 | 毎日新聞社賞 |
『がいとーさん』 | 山本 彪太郎 | 中高生 | 鹿児島県 鹿児島県立加治木工業高等学校 3年 | 毎日新聞社賞 |
『やればできる!』 | 小堀 優 | 小学生 | 滋賀県 大津市立志賀小学校 2年 | 読売新聞北陸支社賞 |
『しょうねんとクジラ』 | 平賀 舞子 | 中高生 | 東京都 東京都立工芸高等学校 3年 | 読売新聞北陸支社賞 |
入選
作品タイトル | 作者名 | 部門 | 所属 |
---|---|---|---|
『だいなそー』 | 豊島 環 | 園児 | 石川県 天徳幼稚園 年少 |
『うさぎのおひめさま』 | 小野 てま理 | 園児 | 東京都 青葉学園幼稚園 年中 |
『アゲハとカマキリ』 | 太田 真暉 | 園児 | 千葉県 学校法人鴻ノ巣学園きたかしわ幼稚園 年長 |
『ユニコーンのおうち』 | 奥井 心咲 | 園児 | 富山県 藤ノ木こども園 年長 |
『うさぎさんとにじ』 | 川﨑 望愛 | 園児 | 富山県 藤ノ木こども園 年長 |
『カールのこうえん』 | 酒井 理珠葉 | 園児 | 富山県 藤ノ木こども園 年長 |
『ワニくんのおさんぽ』 | 島瀬 櫂 | 園児 | 富山県 藤ノ木こども園 年長 |
『あんきろさうるすのいえ』 | 平野 凱士 | 園児 | 富山県 藤ノ木こども園 年長 |
『くいしんぼうのりんたろう』 | 松岡 嶺 | 園児 | 富山県 藤ノ木こども園 年長 |
『おばけやしき』 | 森川 柊 | 園児 | 富山県 藤ノ木こども園 年長 |
『ふしぎなくるま』 | 加門 瑞基 | 小学生 | 富山県 高岡市立能町小学校 1年 |
『あいうえおりれー』 | 重原 葵佳 | 小学生 | 富山県 砺波市立砺波東部小学校 1年 |
『ヒラメキカンジ』 | 町田 鋼成 | 小学生 | 岐阜県 神戸町立北小学校 2年 |
『森歩の大ぼうけん』 | 峰岸 森歩 | 小学生 | 東京都 日野市立潤徳小学校 2年 |
『コップのコップン』 | 砂田 あかり | 小学生 | 富山県 富山市立芝園小学校 3年 |
『はなの穴ツアー』 | 倉石 檜 | 小学生 | 茨城県 つくば市立学園の森義務教育学校 4年 |
『こんこんコンパス』 | 定塚 乙葉 | 小学生 | 富山県 射水市立小杉小学校 4年 |
『トマトになっちゃった!?』 | 二橋 凛 | 小学生 | 富山県 射水市立大島小学校 4年 |
『たまごのうんどうかい』 | 石崎 大輝 | 小学生 | 富山県 高岡市立戸出西部小学校 5年 |
『まねっこはねっこかた~いこ』 | 今開発寺子屋土曜塾 | 小学生 | 富山県 射水市立大島小学校 年中~6年 |
『へんしんするよー』 | 蒲田 知世 蒲田 美玖 | 小学生 | 富山県 高岡市立野村小学校 6年 3年 |
『マンホールのひみつ』 | 下條 舞衣子 | 小学生 | 大阪府 吹田市立片山小学校 6年 |
『こだわりのいっぴんや』 | 山村 拓矢/作 中野 伶菜/絵 | 中高生 | 富山県 射水市立小杉中学校 2年 |
『おれとジェイド』 | 藤村 愛里 | 中高生 | 神奈川県 横浜市立菅田中学校 3年 |
『ぼくうまれたよ』 | 板戸 美乃里 | 中高生 | 富山県 富山県立高岡工芸高等学校 1年 |
『みじかいなつ』 | 窪田 輝隆 | 中高生 | 富山県 富山県立高岡工芸高等学校 1年 |
『くつがすきなくも』 | 田口 沙耶夏 | 中高生 | 石川県 遊学館高等学校 1年 |
『ひとりごと』 | 田中 美海音 | 中高生 | 埼玉県 淑徳与野高等学校 1年 |
『あめのひ』 | 寺野 さとみ | 中高生 | 富山県 富山県立高岡工芸高等学校 1年 |
『どうぶつなぁ~んだ?』 | 長田 遥香 | 中高生 | 富山県 富山県立高岡工芸高等学校 1年 |
『とりさんなんわ?』 | 羽馬 蒼真 | 中高生 | 富山県 富山県立高岡工芸高等学校 1年 |
『ゆかたがうまくきれないカマキリ』 | 見坂 早織 | 中高生 | 大阪府 大阪府立大手前高等学校 2年 |
『ボーイスカウト・キャンプ』 | Pawida Wannaso Mingmongkol Karuwan | 中高生 | タイ Nongpokwittayalai School 2年 |
『なっちゃんとおうた』 | 魚地 咲弥花 | 中高生 | 群馬県 桐生第一高等学校 3年 |
『おめでとうのにじ』 | 遠藤 帆七海 | 中高生 | 秋田県 秋田公立美術大学附属高等学院 3年 |
『よくみてみたら』 | 加々美 杏子 | 中高生 | 東京都 東京都立工芸高等学校 3年 |
『ハラダ』 | 木村 友香 | 中高生 | 群馬県 桐生第一高等学校 3年 |
『イーヴェのまほう』 | 里見 伸曉 | 中高生 | 東京都 東京都立工芸高等学校 3年 |
『おひさまのアップルパイ』 | 髙木 なつめ | 中高生 | 東京都 東京都立工芸高等学校 3年 |
『ほしがいろづくよるに』 | 深田 駿太 | 中高生 | 東京都 東京都立工芸高等学校 3年 |