絵本作家インタビュー石川えりこ

描きたいなぁと思ったものを
描いているだけです。
思いついたものは、躊躇しないで
描いていきたいですね!
プロフィール

1955年福岡県嘉麻市生まれ。デザイナーを経て、 フリーのイラストレーター・絵本作家となる。幼少期の体験をもとに描いた『ボタ山であそんだころ』(福音館書店)は 2015年に第46回講談社出版文化賞絵本賞及び 2017年に台湾でOpenbook最佳童書を受賞。 同作品は2015年にBIB(ブラティスラヴァ絵本原画展)へ出展。絵本に「ホワイト・レイブンズ2019」選定作『かんけり』、令和2年度厚生労働省 社会保障会推薦児童福祉文化財 特別推薦作『しぶがき ほしがき あまいかき』(福音館書店)、2023年BIB出展作『ほんやねこ』(講談社)、『流木のいえ』(小学館)、『庭にくるとり』(ポプラ社)など。挿絵では『 またおこられてん』文/小西貴士、『 こくん』文/村中李衣(以上、童心社)、『あららのはたけ』文/村中李衣(偕成社) 他多数。
絵本原画展
2025年4月2日(水)~5月22日(木)
『ほんやねこ』の原画20点と、その他5作の絵本からセレクトした原画を展示します。







石川えりこ先生にインタビュー
子どもの頃、お気に入りだった絵本や読み物はありますか?
大好きだった本は、ケストナーの『五月三十五日』です。ローラースケートを履いた馬と冒険をするお話です。
影響を受けた作家はいらっしゃいますか?絵本以外の分野でも結構です。
中学生の時からベン・シャーン(アメリカの画家)が大好きでした。
構図の取り方やモチーフなど影響をとても受けていると思います。
絵本作家デビューされたきっかけは?
月刊絵本(すばる書房)のコンペに応募したことと、田島征三さんと古田足日さんにお会いしたことで、今があると思います。
画材は何を使っていらっしゃいますか?
みんなも使っている鉛筆やボールペン、子どもたちが使い残した絵の具や、小学校で使う画用紙です。
なんでもないその辺の画材色々です。大したものはありません(笑)。
今回、原画を展示する絵本の制作秘話や思い出を教えてください。
『ほんやねこ』
この本をきっかけに、アンデルセンやグリムの原作に子どもたちが、近づいてくれると嬉しいです。
『ボタ山であそんだころ』
私の初めての作絵の絵本です。個展のための作品がそのまま絵本の原画となったので、自分の中では一番自由に描いている絵だと思っています。
『かんけり』
小さい時の私のお話です。こんな子でした。
『庭にくるとり』
大人が子どもにできる事は何だろう。見守ることかなぁと思いながら…
この本を読まれた大人の人はたいてい、このお母さんのいきさつを問われます。子どもたちから聞かれたことは一度もありません。
『わたしのかみひこうき』
中国からの出版で、原題が「チョコレート1つ」です。チョコレートが大好きなので、チョコレートを大量に買って食べながら描いていました。表紙のかみひこうきの下には世界中の風景を描いています。かみひこうきがどこまでも飛んで行けるといいなと思いを込めています。
『カイト』
小さな子どもが、「何かをしたい」「冒険をしたい」という気持ちはどこから湧き出てくるのかなと考えてできたお話です。「カイト」の冒険のお話を聞きながら「私もそんな冒険をしてみたい」とハルの気持ちを動かせた物語です。
子どもが一人でお使いに行く番組がありますが、親やスタッフがどんなに気持ちが動くように話しかけても、その子が「行こう!」と自分の意思で足を踏みださないと行けない。テレビを見ながら、考えていました。
どんな時にアイデアが浮かびますか?
ごはんを食べている時や買い物に行った時や、歩いてる時につまずきそうになった時や…いろいろです。
今まで手がけられた作品の中で、一番印象深いものは?
『ボタ山であそんだころ』ですね。この一点だけが絵の原画として描いたのではなく、個展の作品として描いたものだからです。
作品作りのこだわりや絵本を通じてお伝えになりたいことは?
何のこだわりもありません。描きたいなぁと思ったものを描いているだけです。
今後どのような絵本を描いてみたいですか?
描きたいと思ったものは、躊躇しないで描いていきたいですね。
絵本作家以外でやってみたいお仕事はありますか?
憧れるのは…
ご趣味についてお聞かせください。
何の趣味もありません。仕事が趣味みたいなものですかねぇ(笑)。
お好きな言葉を教えてください。
う〜ん考えつかないです…
よく使う言葉なら「ま、いいか!」と納得します。
ファンの皆さんへメッセージをお願いします。
こんな私の絵本を好きと言ってくださると、とても照れ臭く、恥ずかしく、びっくりし、ありがたく、とても嬉しいです。ありがとうございます!
石川えりこ先生、ありがとうございました!