絵本作家インタビューしおたに まみこ

私の伝えたいことを正解と思わずに、
読んだ時の感覚のほうを
大切にしていただきたいです。
プロフィール

1987年千葉生まれ、埼玉育ち。女子美術大学工芸学科陶コース卒業。背景美術制作会社を経て、絵本制作をはじめる。2014年「やねうらおばけ」で第15回ピンポイント絵本コンペ優秀賞受賞。2018年『そらからきたこいし』(偕成社)で絵本作家としてデビュー。同作が第11回MOE絵本屋さん大賞新人賞第2位受賞。作品に『やねうらべやのおばけ』(偕成社)、ブラチスラバ世界絵本原画展金牌受賞『たまごのはなし』、『いちじくのはなし』(ともにブロンズ新社)がある。
絵本原画展
2023年6月1日(木)~7月20日(木)





しおたに まみこ先生にインタビュー
子どもの頃、お気に入りだった絵本や読み物はありますか?
アーノルド・ローベルの『どろんここぶた』(岸田衿子/訳 文化出版局)『とうさんおはなしして』(三木卓/訳 同)は自分で本棚から出して眺めていたので好きだったのだと思います。『すてきな三にんぐみ』(トミー・アンゲラー/作 今江祥智/訳 偕成社)は子ども文庫で人形劇をやっていたのでとても印象に残っています。
覚えていないような歳の時には『ありこのおつかい』(石井桃子/文 中川宗弥/絵福音館書店)が好きだったと聞きました。
絵本作家デビューされたきっかけは?
東京青山にあるピンポイントギャラリーの絵本コンペに出して、編集者さんに声をかけられたことが、きっかけだと思います。
画材は何を使っていらっしゃいますか?
絵本によって少しずつ違いますが、紙、鉛筆、木炭鉛筆、色鉛筆、透明水彩、アクリルガッシュなどを主に使います。
今回、原画を展示する絵本の制作秘話や思い出を教えてください。
『さかなくん』
「むっすり」という言葉はみんなが使っているわけではないということを知りませんでした。
「むっつり」と「むすっと」を私が勝手に混ぜて使っていたようです。
「むっすり」について指摘されると、なんとなく恥ずかしくなります。
『やねうらべやのおばけ』
初めて作った絵本だったので、何度かラフを直しているうちに混乱してしまいました。
気晴らしに『そらからきたこいし』を考えたら、そちらを先に出版することになったのですが、その後でおばけのことを考えたら、思っていたよりもすんなりと納得のいくものができたのが思い出深いです。
どんな時にアイデアが浮かびますか?
いつともなく、くだらないものがぽんぽん出てくるのですが、ほとんどが形にできないものばかりです。
スランプの時は、どのように乗り切りますか?
時間がないときは、どうにもできないので、そのまま作業をし続けます。
ただ、どうにもうまくできないと思ったら体調が悪いということがたまにあるので、その時は寝ます。
今まで手がけられた作品の中で、一番印象深いものは?
『そらからきたこいし』です。
好きなだけ時間をかけて絵を描いたことが楽しかったのを覚えています。
作品作りのこだわりは?
「こだわり」は自分ではよくわかりませんが、「伝えたいこと」はそれぞれの絵本でちがいます。
ですが、私の伝えたいことを正解と思わずに読んだ時の感覚のほうを大切にしていただきたいです。
今後どのような絵本を描いてみたいですか?
楽しい絵本を作りたいです。
絵本作家になっていなかったら、どんなお仕事をしていたでしょう?
アルバイトなどをしながら暇な時に何か作って楽しんでいるか、仕事などしないで家にこもって何かを作って遊んでいるかのどちらかだと思います。
ご趣味についてお聞かせください。
以前は鉱石を集めていたのですが、値段が上がったのと、コロナの流行で出かけなくなったのでしばらく石を買えていません。
ゲームをしていた時もあったのですが、時間を食うのでやらなくなってしまいました。なので、最近では趣味は何もありません。
お好きな言葉を教えてください。
ないです。嫌いな言葉ならたくさんあります。
ファンの皆さんへメッセージをお願いします。
私は、とくに勉強熱心でも、しっかりとした人間でもありませんが、なるべく自分に正直に絵本を作ろうとは思っています。
そんな絵本を読んで、少しでも楽しんでいただければ幸いです。
今後も絵本を作っていければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
しおたに まみこ先生、ありがとうございました!