絵本作家インタビュー庄野ナホコ

自分の中にしか存在しなかった
キャラクターが、皆さんに共有され
愛されるようになるのを見るのは、
とても不思議でうれしかったです
プロフィール

イラストレーター、絵本作家。絵本著作に『ルッキオとフリフリ』シリーズ、『北極サーカス』(講談社)。挿絵に『バレエのおけいこ』(ブロンズ新社)、最新刊は『まるがいいっ』(林木林/作小さい書房)。装画では、『雪の練習生』(新潮文庫)、「本屋好き。」など雑誌BRUTUSの~好き。シリーズ表紙など。
絵本原画展
2022年11月19日(土)~2023年1月29日(日)





庄野ナホコ先生にインタビュー
子どもの頃、お気に入りだった絵本や読み物はありますか?
『ドリトル先生』のシリーズです。寝る前に、母に読んでもらうのがとても楽しみでした。読書の楽しさに目覚めた本です。
影響を受けた作家はいらっしゃいますか? 絵本以外の分野でも結構です。
絵としては、ミハエル・ゾーヴァがとても好きです。自分のひとつの理想です。
絵本作家デビューされたきっかけは?
講談社の絵本の編集の方を作家のお友だちが紹介して下さって、作品を見ていただいたのがきっかけです。講談社の絵本新人賞に何回か応募していて、応募作品を覚えていて下さり、応募作品の『ルッキオとフリフリおおきなスイカ』を手直ししたものが出版されました。
画材は何を使っていらっしゃいますか?
絵は、水彩紙にアクリルガッシュ、部分的に色鉛筆を使って描いています。 色は、混色をすると濁るのが好きではないので、ほぼ絵具そのままの色を使っています。アクリルガッシュのマットな感じがとても好きです。
今回、原画を展示する絵本の制作秘話や思い出を教えてください。
『二番目の悪者』
判型は小さいながらも、絵をたくさん描く必要があり、初めての絵本の挿絵でもあり、とてもたいへんでした。
真っ赤な美しい本にしていただいて(装丁/bookwall 松 昭教さん)本当にうれしかったです。
『せかいいちのいちご』
大好きなホッキョクグマを思う存分描けました! 本のデザインや本文フォント(装丁/鈴木千佳子さん)もとても凝っていて美しいです。
どんな時にアイデアが浮かびますか?
個展用とかでオリジナルの絵を描いている時に、その絵を元にお話がふくらんでくることが多いです。一枚の絵から、このキャラクター、この状況は、どんな風にしてできただろうとか考えていきます。
スランプの時は、どのように乗り切りますか?
スランプというものは、あまり感じたことはないですが、手が動かないときは、なるべく単純な作業を少しでも進めるようにします。
今まで手がけられた作品の中で、一番印象深いものは?
『北極サーカス』(講談社)です。
デビュー前に作っていた作品で、とても思い入れもあります。本として出すために色々と直しましたが、横長の版型にしたので、今まで描いたことのない構図で描くことになり、距離というものを意識して表現できたのが面白かったです。
作品作りのこだわりは?
漠然とした子ども全般対象ではなく、子どもの自分だったら面白いと思うかなというような気持で描いています。
今後どのような絵本を描いてみたいですか?
ダークな感じのものに挑戦してみたいです。
絵本作家になっていなかったら、どんなお仕事をしていたでしょう?
本に関係する仕事かな。アルバイトで国会図書館に勤めていたときは、とても楽しかったです。
ご趣味についてお聞かせください。
ゲーム、ソロでやるRPGがとても好きです。「スカイリム」「ウィッチャー3」などゲームの中の物語世界を逍遥するのが無上の楽しみ!
ファンの皆さんへメッセージをお願いします。
本が出版される前には、自分の中にしか存在しなかったキャラクターが、皆さんに共有され 愛されるようになるのを見るのは、とても不思議でうれしかったです。これからも皆さんに楽しんでもらえるものを作っていきたいと思います。
庄野ナホコ先生、ありがとうございました!